「高岡100人の職人技~100のそろり展」が21日、富山大和5階アートサロンで始まった。高岡市内の伝統工芸の職人100人と、鋳物メーカーの能作(高岡市、能作克治社長)がコラボして制作した真ちゅう製の花入れ「そろり」100点を展示。高岡のものづくりの美意識と、層の厚さを伝える。27日まで。
能作が創業100周年を記念し、高岡の技術の粋を形に残そうと企画した。そろりは、茶席の床にも飾られる伝統的な花器で、細口で下部が膨らみ、流れるようなラインが特徴。同社の看板商品の一つとなっている。
同社がそろりの素地を職人たちに"キャンバス"として提供。漆工や金工、彫金など各分野で活躍する若手からベテランまでが、伝統に培われた技と現代の感性を溶け合わせて加工しており、百花繚乱(りょうらん)の趣を呈している。
彫金師の青木喜作さんは、布目調の模様を施した上に銀箔(ぎんぱく)を貼って優美さを強調した。
原型師の澤紘司さんの作品は、虫のような造形物を接着させて異彩を放つ。着色師の日下正子さんは、全体を赤色に塗り、青色の3本線を添えてスポーティーな印象に仕上げた。
製法を紹介するパネルや、職人愛用の道具など展示資料も充実している。同社の販売部店舗統括マネージャーの滝悠史さんは「職人が表舞台に立つ機会は少ない。今回の展示を契機にそれぞれの創造性と技を知ってほしい」と話す。
24日午後2時から能作社長がトークショーを行う。北日本新聞社後援。