福井藩主松平春嶽が参勤交代でたどった江戸から福井までの道のりを、日記など17点で紹介する企画展「青春17 春嶽の旅日記-『東海紀行』でたどる参勤交代」が福井県文書館(福井市)で開かれている。2月22日まで。
「東海紀行」は1844年、17歳の春嶽が参勤交代で東海道を旅したときの日記。江戸で教えを受けていた儒学者からの宿題で、ほぼ全ページに朱筆で添削された跡がある。形式的な古文書ではなく人間味のあるもので、山あり谷ありの13日間が記録されている。
道中で見た生活に苦しむ農民を思うなど名君としての片りんを見せる一方、嫌いな雷に震えてしまい家臣に注意され、克服を誓うかわいらしいエピソードも記される。
このほか福井藩の江戸上屋敷の絵図や、春嶽が見たと思われる景色の版画「東海道五十三次」の複製なども並ぶ。町人らが、それを片手に大名行列を楽しんだとされる全国の大名のガイドブック「武鑑」も展示されている。