氷見市の上伊勢町内会は、老朽化していた曳(ひき)山(やま)の車輪を117年ぶりに補修した。14日は住民約10人が集まり、車輪を取り付けた。今後、全四輪に金箔(きんぱく)を施し、3月に試し曳きを行う予定だ。7月13、14日に市中心部で行われる祇園(ぎおん)祭が初の引き回しとなり、同町内会は「曳山は町の誇り。大勢の人に見てもらいたい」と話している。
曳山は江戸時代の創建で、1882(明治15)年の火災で焼失し、1900(同33)年に作り直したとされる。
車輪は直径1・55メートル。木製車輪に鉄の輪を取り付けて締める「焼きばめ」と呼ばれる手法で、ケヤキの一枚板を使用している。数年前から車輪がきしむようになり、高岡市中曽根の宮大工「加門建築」に補修を依頼。昨年9月に修理を始めた。自治総合センターの宝くじの助成金と住民の積立金を使い、総改修費は約300万円。
林茂之祭礼実行委員長(63)は補修について「祭りを長く続けたいという住民の願いが込められている」と言い、大舘俊裕町内会長(66)は「老朽化が激しく、長年の懸案だった。後世にしっかり引き継ぎたい」と話している。