木曽町木曽駒高原のペンションが12日、宿泊客らに近くのシラカバ林で樹液の採取体験や試飲をしてもらう取り組みを始めた。10年ほど前に近くのスキー場が営業をやめ、同高原を訪れる人も減っているため、自然体験を通じて、人を呼び戻したい考えだ。
数年前から、オーナーの加藤雅洋さん(54)一家が個人的に採取して飲んでいた。フェイスブックで紹介したところ、宿泊客などから「飲んでみたい」という声があり、始めることにしたという。体験は、ペンション裏の敷地の斜面にあるシラカバにドリルで穴を開けてホースを挿し、瓶にためるという。
ほんのり甘みがあり、ロシアや北欧では飲用の習慣があるという。宿泊客には樹液を使ったコーヒーも出す。樹液はこの時季だけ採れるといい、4月下旬まで体験できる。事前に連絡すれば、宿泊客以外も飲める。
近くにあった木曽駒高原新和スキー場は2004年に運営会社が自己破産し、翌年、別会社が木曽駒高原スキー場として営業を再開したが、間もなく営業をやめた。最近、通り掛かる駒ケ岳への登山者が少しずつ増えているといい、加藤さんは「新緑や紅葉のすごくきれいな場所。まずは樹液の採取体験で一度訪れてみてほしい」としている。
体験料は300円。問い合わせは「ヒルトップ」(電話0264・23・8031)へ。