戦国大名・朝倉氏の家臣団にスポットを当てた特別公開展が、福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で開かれている。朝倉氏に世襲的につかえた鳥居氏に関する貴重な文書など37点が展示されている。9月12日まで。
特別公開展は本年度2回目で、目玉は鳥居氏に朝倉歴代当主が送った書状など8点をまとめた「鳥居文書」。この中に含まれる書状などから、鳥居氏は軍役を果たす代わりに朝倉氏から土地を得ていたと考えられる。このほか、領国内の有力武士・堀江景用に朝倉孝景が出した書状には敬語表現が多用されている。家臣団の構成員とはいえ越前北部に大きな勢力を持つ武士を、丁重に扱ったことが分かるという。
これらの資料を通じ、訪れた人たちは朝倉氏と家臣らとの関係性などを学んでいた。
期間中の8月20日には関連イベントで、「戦国期越前朝倉氏の外交と家臣団編成」と題した講座を予定。学芸員の石川美咲さんが、外交の任務に当たる家臣が変遷した理由などを解説する。問い合わせは同館=電話0776(41)2301。