個室スタジオで練習する学生たち=ホテル寺尾温泉

個室スタジオで練習する学生たち=ホテル寺尾温泉

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"音楽宿"が学生に好評 砺波の寺尾温泉

北日本新聞(2017年8月21日)

 今月2日に大学生の合宿をターゲットに"音楽宿"としてリニューアルオープンした砺波市井栗谷の「ホテル寺尾温泉」に、連日多くの宿泊客が訪れている。リピーターになりたいという利用者も多く、市の交流人口拡大に一役買っている。施設内のダンスホールの改装も終わり、今後は県内外のダンス愛好家を招くダンスパーティーも計画。音楽とダンスを目玉に宿泊客のさらなる増加を目指している。

 寺尾温泉は1831(天保2)年に開湯。自然石を使った大岩風呂が注目を集め、長年親しまれてきたが、経営環境が厳しくなる中でボイラー設備の更新に多額の費用がかかるため2014年12月に閉館した。

 長野県白馬村でホテルを展開する福々家(ふくふくや)(同村、金沢健承社長)が施設を借り、一部を改装して営業を再開。客室数は約80室、収容人数は約500人で、"音楽宿"と銘打ち、個室のスタジオ22部屋とライブや演奏会を開ける会場3部屋を設けた。7月末~9月末と2、3月の利用は大学生だけに限定しているが、今夏は延べ6800人の予約があるという。

 利用した学生らによると、関西周辺でスタジオのある宿泊施設は数少なく、他団体と取り合いになることもしばしばあるという。立命館大3年の軽音楽サークルに所属する秋元大樹さん(21)は、合宿の宿泊施設を選ぶ際はスタジオの有無を重要視していると言い、「寺尾温泉は部屋数が多いから練習時間が確保しやすい。来年以降もぜひ利用したい」と喜んでいた。

 福々家は、本年度中に県内外の社交ダンス愛好家を招いたパーティーも企画する。同社が白馬村で運営するホテルでは既に毎週開いており、参加者から高評価を得ている。金沢社長は「北陸はダンスが盛んな地域。普段会えない人と交流できる場として、多くの人に親しまれる施設にしたい」と話す。

 県と砺波市は、一定条件を満たした同施設の利用者に補助金を交付している。補助金に関する問い合わせも多く寄せられており、呼び水の役目を果たしている。同市は「利用者が会員制交流サイト(SNS)で発信したり、大学卒業後に再び遊びに来たりすることもあるはず」と、今後の利用の広がりに期待している。

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