戦国から江戸時代までに出版された福井ゆかりの医学書を紹介するテーマ展=22日、福井市の県立図書館

戦国から江戸時代までに出版された福井ゆかりの医学書を紹介するテーマ展=22日、福井市の県立図書館

福井県 福井・永平寺

戦国ー江戸の医学書紹介 福井県立図書館

福井新聞(2017年8月25日)

 戦国時代から江戸時代までに書かれた医学書などを紹介するテーマ展「医学書を著した福井ゆかりの医者たち」が、福井市の県立図書館で開かれている。約480年前に出版された現存する日本の医学書で2番目に古いものもあり、来館者の目を引いている。9月10日まで。

 江戸時代の小浜藩医、杉田玄白(1733~1817年)の没後200年に合わせて企画した。

 県立図書館の蔵書で最も古い「勿聴子俗解八十一難経(ふっちょうしぞっかいはちじゅういちなんぎょう)」(1536年)は、奈良の僧で中国に渡り医学を学んだ谷野一栢(いっぱく)が、一乗谷の戦国大名、4代朝倉孝景の命を受けて書いた。同書は中国の医学書を校正したもので、針治療やツボ押しなど東洋医学の基礎が記載されている。

 一般向けに分かりやすく書かれた「日用医療指南大成(にちよういりょうしなんたいせい)」(1715年)の著者、岡本一抱子(いっぽうし)は吉江藩(鯖江)の武士の子として生まれ、浄瑠璃・歌舞伎作者の近松門左衛門を兄に持つ。一抱子はほかにも20冊以上の医学書を書いており、それらは当時の医師らに広く読まれていたという。

 福井生まれの医師、池田冬蔵(とうぞう)が書いた「解臓図賦(かいぞうずふ)」(1823年)は、刑死者の解剖に基づき詳細な解剖図と説明が書かれている。

 そのほか、医学書の著者と福井とのゆかりを示す史料も展示している。9月4日は休館。

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