新たに売り出した「わちがいざざ」。こしが強く、もちもちした食感が楽しめる

新たに売り出した「わちがいざざ」。こしが強く、もちもちした食感が楽しめる

長野県 白馬・安曇野 特産 麺類

「おざんざ」情熱長くつなぐ 大町に新うどん「わちがいざざ」

信濃毎日新聞(2017年9月8日)

 大町市特産の細うどん「おざんざ」が製造元の経営難で作られなくなって5カ月。おざんざを提供してきた市中心街の飲食店「創舎わちがい」が、地元の製粉所や製麺所と協力して食感が似た新しい細うどん「わちがいざざ」を考案、今月から提供を始めた。大町の特産品としておざんざが果たしてきた役割をこの先も長くつないでいきたいと、関係者は張り切っている。

 「おざんざ」「ざざ」は麺類を指すこの地方の方言。おざんざは、塩を使わずに納豆菌の酵素で練り上げることが特徴で、大町温泉郷の旅館の先代社長(故人)が45年ほど前に開発した。その後、市内の工場で乾麺製造にも乗り出し、市内の土産物店などで販売されてきた。こしの強さとうま味、のど越しの良さが人気で、2005年に古い町家を再生してオープンした創舎わちがいは、当初から主力メニューの一つにしてきた。

 製造元の旅館が3月末に事業停止すると、同店にはおざんざを求める客が大勢訪れたという。8月末には在庫が切れかねないとみて、同店代表の渡辺充子さん(61)が4月からおざんざの代わりとなる細うどん作りに着手。特徴を受け継ごうと、麺のこしやのど越し、細さなどにこだわって製麺業者らと試作を繰り返し、県産小麦粉100%の香りの強い生麺を完成させた。

 同店では、おざんざ同様にざると温かいつけ麺を中心に提供。現在、季節限定のトマトベースのつけ汁メニューも用意している。生麺の販売も今後検討するという。

 新たな特産品を大町に根付かせたいと、旅館の先代社長がさまざまなイベントで観光客におざんざを振る舞う姿を何度も見てきたという渡辺さんは「大町独自の細うどんとして新商品もおざんざ同様に丹精込めて提供していきたい」と話している。

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