福井市の福井城址(じょうし)西側で山里口御門(やまざとぐちごもん)の復元整備を進めている福井県は25日、城址の歴史に親しんでもらおうと10月下旬に完成した建物の一般向け内覧会を開いた真。歴史愛好家ら200人余りが訪れ、2階部分に長屋状の建物が乗る櫓門(やぐらもん)、櫓門に通じる小さな棟門(むなもん)、土塀を見学。復元設計を担当した建築士の国京克巳さん(63)=坂井市=による説明会もあった。
説明会は櫓門の2階部分で午前と午後の1回ずつ開かれ、午前は約60人が参加。国京さんは「石垣に残る削り傷などの痕跡を参考に、建物の間取りや高さを推測した」「ケヤキやマツなど県産材を多く使っている」「笏谷(しゃくだに)石の瓦ぶきが特徴」などと、設計や構造について解説した。
説明会に参加した高橋斉さん(33)=坂井市=は「資料が少ない中、できる限り検証して設計したという苦労が分かった。笏谷石の瓦は福井ならではでいい」と話していた。
天守台跡など城址内を巡るミニツアーもあった。復元整備は来年3月下旬に事業全体が完了する。