江戸から昭和にかけての旅文化の変遷を紹介する資料展=10日、福井市の県文書館

江戸から昭和にかけての旅文化の変遷を紹介する資料展=10日、福井市の県文書館

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庶民の旅変遷たどる 県文書館で江戸―昭和期の資料展

福井新聞(2018年1月11日)

 江戸期から昭和期にかけての旅文化を紹介する資料展「よその名勝、ふくいの名所 ガイドブック今昔」は24日まで、福井市の県文書館で開かれている。徒歩での寺社参詣から、鉄道を使った観光地巡りまで、庶民が楽しんだ旅の変遷をたどることができる。

 寄贈・寄託品を中心とする資料約30点を展示した。

 江戸・明治期の旅は、伊勢神宮や善光寺などへの寺社参詣が人気だった。当時のガイド本に当たる「名所図会(めいしょずえ)」は、神社仏閣や古跡を風景画入りで紹介。旅ブームの中で旅館の客引きや押し売りも横行したことを受け、安心できる宿泊先をまとめた携帯用の冊子も並んでいる。

 越前若狭を出発地とする当時の旅の記録を、地図に落とし込んだパネルを掲示。徒歩で10~50日間かかったとされる伊勢参りなどの経路を示した。笠(かさ)とわらじ姿の旅人を収めた貴重な写真は、道中の苦労を感じさせる。

 大正・昭和期は、鉄道旅行の時代に。1925年に国内の鉄路が1万マイルを超えたことを記念して作られた「鉄道競争すごろく」は、当時の主要な路線とともに駅名や特産物が記され、各地で観光地が開拓されていった様子が見てとれる。

 京都の絵師吉田初三郎が描いて旅の参考にされた福井の鳥瞰図(ちょうかんず)、当時営業していた永平寺鉄道の沿線案内パンフレットも展示した。県師範学校の修学旅行誌には、伊勢神宮や東大寺、金閣寺など寺社中心の30カ所以上を5泊6日で訪ねた記録が残っている。

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