長寿の象徴として親しまれている亀を紹介する「新春特別企画~吉兆・縁起物としての亀」が、福井県大野市本願清水イトヨの里で開かれている。日本唯一の固有種「ニホンイシガメ」や外来種など5種の亀を間近で観察できる。2月12日まで。
新春ムードを味わってもらうとともに、生き物がすみやすい環境について考えてもらおうと企画。亀を飼育している黒瀬博徳さん(42)=大野市=から3~10歳の17匹を借り受けた。
ニホンイシガメはきれいな水の河川や湿原、水田などに生息している。生まれて約3年の小さな亀たちは水槽の中で首を伸ばしたり、来場者をじっと見つめたりと愛嬌(あいきょう)たっぷり。成長すると甲羅は黄色みがかったオレンジ色に変わるという。
自然が豊かな市内でも度々見られるが「イシガメの個体数は減りつつある」と長谷川幸治副館長。環境破壊や水質の変化、外来種の不法放流などが影響し、生息域が狭まっているという。
会場にはミドリガメの愛称で知られる外来種「ミシシッピアカミミガメ」も並び、黒瀬さんは「最後まで一つの命に責任を持って」と呼び掛けている。
このほかスッポンや、流れの穏やかな河川などに生息するクサガメなども展示されている。長谷川副館長は「ほとんどが市内で観察できる亀。身近な生き物を見て、命の大切さや環境について考えるきっかけにしてほしい」と話している。
午前9時~午後5時。観覧無料。最終日をのぞく毎週月曜は休館。