下伊那郡松川町の町営宿泊温泉施設「清流苑」が、ロビーに約2500体のつるしびなを飾っている。3年目の取り組みで、今年はおめでたい紅白の綱を張ってより華やかになった。白やピンク、淡い緑の繭玉飾りも彩りを添え、利用客から好評だ。4月10日まで展示を続ける。
ロビーで出迎えるのは、赤ん坊や金魚、動物などをかたどった色とりどりの布製の人形。宿泊客らが到着するたびに「あーすごい」「きれいねえ」と感嘆の声が上がる。
「特に女性から評判が良いです」とうなずくのは総支配人の北沢秀公さん(46)。展示は、駒ケ根市の住民グループ「あつい!こまがね」の「吊(つ)るし飾り隊」が開く講習に清流苑の職員が参加していた縁で始まり、今では季節の名物として定着しつつある。展示を終えると寂しがる客も多いという。
昨年は観光シーズンの秋に台風が続くなど、観光業にとって受難の年だったと振り返る北沢さん。「つるしびなが少しでもお客さんが入るきっかけになってくれればいい」と話していた。