各地の玉川を詠んだ有名な六つの和歌の風景を各面に描いた菓子箪笥=福井市立郷土歴史博物館

各地の玉川を詠んだ有名な六つの和歌の風景を各面に描いた菓子箪笥=福井市立郷土歴史博物館

福井県 福井・永平寺

古典文学を美術で表現 福井市郷土歴博

福井新聞(2018年2月6日)

 福井市立郷土歴史博物館は、企画展「ことばを描く-文学と美術の楽しい関係」を開いている。詩歌や物語など古典文学をデザインしたユニークな美術品22点を紹介している。3月21日まで。

 企画展は2部構成。「ことばを飾る」では、美しく装飾された色紙に書かれた和歌や絵巻を、「ことばを描く」では、工芸品や書画、着物などを展示している。

 幕末の福井藩主、松平春嶽が使った「玉川図蒔絵(まきえ)菓子箪笥(だんす)」は高さ20センチほどのかわいらしい逸品。箪笥の各面には満開のヤマブキやハギなど、全国の玉川を詠んだ有名な六つの和歌の風景が描かれている。文字は書かれておらず、各面の絵を見て題材にした和歌を当てる謎解きが楽しめたのではと推察されている。

 伊勢物語の一場面を描いた扇、和歌を1文字ずつばらばらに描いた着物もある。これらも題材となった作品を推測する面白さがあり、江戸時代の人々の古典文学への親しみや遊び心がうかがえる。

 担当学芸員の藤原千穂さん(40)は「古典を難しく感じるのではなく、絵として見てもらい、何が書かれているのか謎解きを楽しんでほしい」と話している。

 2月6、19、20日は休館。10日と3月10日の午後2時から展示解説がある。2月25日同2時からは見どころを紹介する講座がある。

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