曙覧直筆の書などが展示されている新収蔵品展=福井市橘曙覧記念文学館

曙覧直筆の書などが展示されている新収蔵品展=福井市橘曙覧記念文学館

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橘曙覧の書、筆致美しく 福井市の記念館で新収蔵品展示

福井新聞(2018年2月22日)

 福井市橘曙覧記念文学館(福井県福井市)は、新収蔵品展「発見!曙覧の書」を開いている。曙覧の新たな魅力を知ってもらおうと、「たのしみは」で始まる代表作「独楽吟」以外の和歌や短歌を紹介。自身が詠んだ歌の直筆の書やゆかりの書籍を中心に約30点を展示している。3月1日まで。

 2015、16年度に新たに収集した資料が並ぶ。直筆の和歌の掛け軸や短冊は状態が良く、曙覧の特徴であるおおらかで流れるような美しい筆致を見ることができる。直接名前を出さずに花について詠んだ連作「詠四時花」の一首は、冬に咲く美しい花として水仙を「草の山人」と表現し、独楽吟とは違った風流な雰囲気が漂う。

 旧金津町(現あわら市)出身の画家故・志田弥広さんによる曙覧の肖像画2点も紹介。雪の中で傘を差して歩く様子、筆を持って縁側で片膝を立て物思いにふけるような趣のある姿が描かれている。

 関連書籍のコーナーにある研究書では、坂井市三国町出身の作家高見順が独楽吟に関心を持っていたことや、ほとんど福井で過ごしていた曙覧が、国学における重要人物だったことが分かる。

 担当者は「独楽吟で有名になる前から全国で評価されていた、新たな曙覧の魅力を知ってほしい」と話している。

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