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平成の大修理が完了 城端別院善徳寺

北日本新聞(2018年3月31日)

 2012年から「平成の大修理」と呼ばれる大規模な保存修理・震災対策事業が進められた南砺市城端の城端別院善徳寺で、全修復作業が終了した。30日は同寺の亀渕卓輪番や土屋敦夫保存検討委員長らが説明を受けながら仕上がりを確認し、寺のさらなる発展を誓った。

 修復工事は本堂のほか、庫裏(くり)、台所門で進めた。本堂は瓦の重みで柱が傾斜していたため、屋根を本来の姿に近いこけら形の銅板にふき替えたり、構造を補強したりする作業を15年10月までに終えた。庫裏は屋内に広がる大空間を生かした設計とし、古図や痕跡を基に明治初期の姿に復元。台所門は傷んだ部位を直し、床組などを復元した。山門も軒の下がりが確認されたため、支柱を設置した。

 設計監理者の山本博之さんは、鐘楼(しょうろう)と太鼓楼の修復の必要性についても説明。善徳寺では現在、地元有志たちが寺に残された1万点以上の古文書や史料の調査解読に取り組む認定NPO法人設立に向けて動き出しており、「復元工事に当たり、裏付けとなる史料の研究につながる」と期待した。

 関係者は新たに工事を終えた庫裏や台所門を見て回った。亀渕輪番は「素晴らしい仕上がり。昔の姿に戻って本当によかった」と喜んだ。土屋委員長は「格段に美しくなった」と話した。11月に落慶法要を行う。

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