福井県福井市武周町でハナモモモ約400本が見頃を迎えている。連日の陽気に誘われ今週、一気に満開に。赤や白、桃色の花が集落のあちこちに咲き誇り、山里の春を鮮やかに彩っている。
地元の内田健治さん(79)が、数十年かけ少しずつ植樹し育ててきた。名所として知られる大野市西勝原で見たハナモモに感動し、「町おこしにはこれしかない」と思い立った。次第に範囲を拡大し、親戚や知り合いの土地にも植樹。今では福井市風尾町の殿下公民館から武周町の西雲寺にかけて、ハナモモの林が点在している。
今年は4月上旬から咲き始め、西雲寺のしだれ桜が散り始めた10日前後には早くも五分咲きに。19日には写真愛好家や見物客の姿が見られた。ウグイスの鳴き声が山里に響く中、のんびりと撮影や散策を楽しんでいた。
毎年、西雲寺のしだれ桜を見に来る清水ひとみさん(56)=福井県越前町=は、最近では桜が散る頃に咲き始めるハナモモも楽しみにしている。「本当に鮮やかできれい」と目を細めていた。ジョギングで通り掛かった出倉真由美さん(66)=坂井市=は、ハナモモに目を奪われ歓声を上げた。「青空とのコントラストが映える。1週間前はまだつぼみだったのに」と見とれていた。
内田さんによると、毎年ゴールデンウイーク(GW)には見物客でにぎわう。「ぜひ一目見に来てほしい」と話していた。天候次第だが、GW明けまで見頃だという。