福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡の出土品のうち、国指定重要文化財の一部を披露する特別公開展「重要文化財は語る―城下町のくらし―」が、同市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で開かれている。城下町の暮らしぶりが分かるほか、織田信長軍に攻め込まれた時に井戸へ投げ込まれたとみられる銅銭やつぼなどからは、当時の城下町の混乱ぶりがうかがえる。7月4日まで。
特別公開展は、同館が所蔵する重文2343点を毎年1回、調査地ごとに披露する企画。今年は、復原町並の南側一帯に建っていた武家屋敷、町屋群から出土した約150点を紹介している。
銅銭は井戸の底からまとまって出土。中国やベトナム、琉球などで作られた79種類を並べている。骨董品として重宝されたとみられる中国製のわんなども披露している。同館の学芸員によると、銅銭やつぼなどは、織田軍の攻撃を受けた時、比較的裕福な屋敷住民が財産を奪われないように井戸に投げ込んだとみられている。
特別公開展に合わせ、テーマ展「あばかれた『阿波賀(あばか)』―第150次発掘調査速報展―」も開かれている。県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)の整備用地で、昨年発掘調査された戦国期の大規模な石敷遺構について、出土した茶わんや皿など約200点とともに紹介している。
常設展と同じ観覧料が必要。期間中の休館日は5月16日と6月20日。