杉野副館長(右奥)の説明を聴きながら、高さが4メートル近い「瀧図」を鑑賞する来場者=富山県美術館

杉野副館長(右奥)の説明を聴きながら、高さが4メートル近い「瀧図」を鑑賞する来場者=富山県美術館

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千住博展、見上げる「滝」迫力満点 富山県美術館

北日本新聞(2018年7月1日)

 富山県美術館(富山市木場町)で開催中の企画展「高野山金剛峯寺(こんごうぶじ)襖絵(ふすまえ)完成記念 千住博展」では、高さ4メートル近い滝の大作が展示され、見上げる高さから流れ落ちる滝の迫力が来場者を驚かせている。日本画家の千住博さんが金剛峯寺(和歌山)に納めるために描いた襖絵・障壁画「瀧(たき)図」の一部で、奉納後は室内の造りから作品の上部が壁に隠れて見えなくなる。同展は全体を一望できる貴重な機会となるだけに、30日も美術ファンが続々と訪れ、スケールの大きさに圧倒されていた。

 「瀧図」と「断崖図」からなる全44面の襖絵・障壁画は3月に完成したばかりの最新作。富山での展示が初公開となり、最大の見どころとなっている。

 2020年に金剛峯寺の「囲炉裏(いろり)の間」に奉納する「瀧図」の幅は25メートル。高さは襖を想定してほぼ1メートル82センチだが、床の間に飾る部分のみ3メートル67センチと突出している。床の間の手前には天井から小さな壁が下がり、奥に飾ると作品の上部3分の1は壁に隠れ、外から眺めても見えない。千住さんは8日の開会式後の作品解説で「高野山を開いた空海の崇高な存在を感じながら、隠れる部分も全力で描いた」と語った。

 30日は杉野秀樹副館長によるミニ解説会があり、説明を聴きながら「瀧図」に見入る人の姿が目立った。高岡市大坪町の会社員、長木ゆみ子さん(67)は「大きさに驚き、滝の奥にある神聖な世界をより強く感じた」と話した。

 同日は館内で、日本画家で富山大芸術文化学部准教授の高島圭史さんから、日本画の画材や道具の使い方を学ぶワークショップもあった。

 同展は初期の人物・風景画から新作まで約30点を紹介している。7月29日まで。富山県美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、NHKプラネット中部主催。

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