上伊那郡宮田村の津島神社祇園祭で21日夜、みこしを参道の石段から落として壊す伝統の「あばれみこし」が行われた。夜も酷暑が続く中、大勢の氏子らが、ヒノキ製で重さ約200キロのみこしを参道の上から落とすと、大きな歓声が上がった。
みこしは、村内三つの区の大工が当番で造ってきたが、担い手の高齢化で今年から当番制を廃止。町二区の伊藤秀雄さん(70)が引き受けた。担ぎ棒が長さ約4メートル、中心に据える「真柱(しんばしら)」の高さが約1・8メートルある。
村内を練り歩いた氏子らは午後9時半ごろに境内に到着。11段の石段を上がり、掛け声に合わせて何度もみこしを放り投げた。破片は、屋根に上げると無病息災になるとの言い伝えから、集まった人が奪い合うように持ち帰った。初めて見たというインドネシア出身の男性、イ・マムさん(23)=上伊那郡南箕輪村=は「熱気がすごくて驚いた。破片はもらえなかったが楽しかった」と話していた。