戦国武将の思惑などをひもとく歴史書を発刊した前敦賀市立博物館長の外岡慎一郎さん=8月18日

戦国武将の思惑などをひもとく歴史書を発刊した前敦賀市立博物館長の外岡慎一郎さん=8月18日

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関ケ原挑む武将の心をひもとく一冊 大谷吉継研究の第一人者が出版

福井新聞(2018年8月22日)

 敦賀城主大谷吉継の研究の第一人者として知られる前敦賀市立博物館(福井県敦賀市)館長の外岡慎一郎・奈良大学教授(63)がこのほど、関ケ原の合戦を前に戦国武将らが交わした手紙を読み解いた歴史書「『関ケ原』を読む」を出版した。吉継が敵方の家臣に宛てた書状など約40点を現代語訳し、合戦が迫る中での武将の思惑や迷いなどをひもといている。

 歴史研究の中で、行動の裏に見え隠れする武将の心情を読み取りたいとの思いがあり、3章立てで約1年をかけて書き上げた。1600年9月15日、徳川家康を大将とする関東方(東軍)と石田三成を中心とした反徳川勢力の京方(西軍)が戦うまでに、武将らの間で交わされた手紙を現代語訳した。史実に基づく知見やふりがなを盛り込み、初心者にも分かりやすくまとめた。

 第1章では、合戦に伴う人質の動きに焦点を当てる中で、京方の吉継が関東方で長岡忠興に仕える家臣、松井康之に宛てた手紙が登場。家康を討つことに決めた京方として、秀吉から直接土地の支配権を与えられた恩義を忘れていなければ京方に属するようにと康之に訴える内容を解説する。

 家康が天下人となるまでの3カ月間を追った第3章では、小山(栃木)から江戸へ向かうことを決めた家康が伊達政宗に送った書状を紹介。人質を利用した作戦と指示が記されており「武将たちの心を読み、探りながら慎重に事を進める家康のしたたかさがみえる」(外岡教授)と指摘する。

 戦国武将らの手紙について、外岡教授は「情報を隠すなどの策略が見え、興味深い。戦いの結果はすでに分かっているが、合戦までの武将の葛藤や動きも知ってもらえたら」と話していた。

 本は同成社刊、B6判、179ページ。1冊2千円(税抜き)、全国の主な書店で取り扱っている。

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