福井県若狭出身の明治期の禅僧と故水上勉さんとの関わりなどを紹介している企画展=6月28日、福井県おおい町成海のシーシーパーク

福井県若狭出身の明治期の禅僧と故水上勉さんとの関わりなどを紹介している企画展=6月28日、福井県おおい町成海のシーシーパーク

福井県 敦賀・若狭 その他

若狭の禅僧、教えに焦点 水上勉さんとの関係紹介

福井新聞(2024年7月8日)

 福井県若狭出身の明治期の禅僧らについて紹介する「若狭の禅~一滴文庫の基となった禅僧の教え~」が、おおい町成海の複合商業施設「SEE SEA PARK(シーシーパーク)」で開かれている。禅僧と同町出身の直木賞作家、故水上勉さんの関係などをパネル約20点で紹介している。7月9日まで。

 若州一滴文庫(同町岡田)の企画展。

 「一滴文庫」の名称は水上さんがつけた。水上さんは幼少期に瑞春院(京都市)で修行。見聞きした禅師の逸話を作品として残している。一滴文庫は禅師たちを顕彰しようと設立した。パネルではこういった経緯や、おおい町大島出身で臨済宗の老師・儀山善来(1802~78年)の「一滴の水さえ粗末にするな」という教えから着想を得て、子どもたちに「一滴の水の中にも命がある」と気付いてもらえるよう命名したことが解説されている。

 夏目漱石と若狭出身の禅僧との関係を記したパネルでは、漱石が1894年、友人に誘われて円覚寺(神奈川県鎌倉市)を訪れ、高浜町出身の明治の高僧、釈宗演と対面。やりとりを基に「門」を執筆したことを紹介している。このほか、宗演が叔父である同町出身の越渓守謙(えっけいしゅけん)(1806~84年)の下で得度するなど、若狭の禅僧が仏法を受け継いできた系譜が紹介されている。

えきねっと びゅう国内ツアー

敦賀・若狭 ニュース