南砺市の県利賀芸術公園で開催中の「SCOTサマー・シーズン2018」は25日、2日目を迎え、劇団SCOT主宰の鈴木忠志さんが演出した「世界の果てからこんにちは」が野外劇場で上演された。大輪の花火が夏の夜空を彩る中、俳優たちは気迫のこもった演技を披露した。自然と融合した壮大な舞台に、観客から大きな拍手が送られた。
「世界の果て-」は、鈴木さんの作品から日本について考えさせる場面を集めた。戦時中に歌われた「海ゆかば」や昭和の歌謡曲なども織り交ぜて歴史をたどり、日本人特有の精神性を描いた。
出演者は、山や池を背景にライトアップされたステージで熱演を繰り広げた。終演後、鈴木さんの発声でシアター・オリンピックス国際委員会のテオドロス・テルゾプロス委員長らが鏡開きした。
サマー・シーズンは9月2日まで。26日は鈴木さんのトークや「トロイアの女」の公演がある。県、南砺市、県文化振興財団主催。
■来年のシアター・オリンピックス、16カ国34演目決定
TOGAアジア・アーツ・センター支援委員会(委員長・吉田忠裕YKK取締役)は25日、南砺市利賀村上百瀬の「天竺(てんじく)温泉の郷(さと)」で夏季委員会を開き、来年8~9月に県利賀芸術公園などで開く「第9回シアター・オリンピックス」について、現段階で16カ国の34演目が決定したことが報告された。
支援委員会には、吉田委員長や顧問の田中幹夫南砺市長、久和進北陸電力会長らが出席。事務局から、参加国などがさらに増える可能性があることや宿泊施設などのハード整備が順調に進んでいることが説明された。田中市長は宿泊の受け皿として「民泊を広げていく」との考えを示した。
夕食会もあり、石井隆一知事が「皆さんと手を携え成功に導きたい」とあいさつした。