棟方の書にスポットを当てた企画展「広大無辺の書の世界」=南砺市福光美術館

棟方の書にスポットを当てた企画展「広大無辺の書の世界」=南砺市福光美術館

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力強さ光る棟方の書 福光美術館で企画展

北日本新聞(2018年9月7日)

 南砺市福光地域ゆかりの板画家(はんがか)、棟方志功の書にスポットを当てた企画展「棟方志功 広大無辺の書の世界」が8日から同市福光美術館で始まる。板画や倭(やまと)画にとどまらない、棟方独自の幅広い表現の世界を伝える。11月4日まで。

 棟方は約7年間、福光地域に疎開していたころ、学童疎開で砺波市に滞在していた前衛書の草分け、大澤雅休と交流。双方が刺激を受けつつ、自由な表現で書の世界を楽しんだ。

 企画展には棟方の軸や額42点と、大澤の軸など4点をそろえた。棟方の書の語句は、ほとんどが仏教の世界に根差す。「不二法門」や「如心」など、言葉の本質を直感的に捉え、感動をぶつけるように力強くしたためた作品が並ぶ。

 ふすま4枚に一気に書き上げた「宿業者是本能則感應道交(しゅくごうはこれほんのうすなわちかんのうどうこう)」は、福光にあった念仏道場「白道舎(びゃくどうしゃ)」で仏教学者の曽我量深(そがりょうじん)から聞いた言葉に感銘を受け生まれた。棟方の芸術性を飛躍させた真宗王国の風土に根差した作品だ。

 渡辺一美副館長は「絵画とは異なる、棟方の幅広い芸術の世界を見てもらいたい」と話している。

 開会日の8日は午前10時半から書家の表立雲さんによる記念講演がある。入場料は一般800円、大学・高校生500円、中学生以下無料。北日本新聞社共催。

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