飯田市の今宮郊戸(ごうど)八幡宮一帯で8日夜、秋季祭典の奉納煙火があった。江戸時代から続くとされる伝統行事。隣接する市営今宮球場で行われる、15本の筒花火が一斉に火を噴く「連合大三国」と、みこしを担ぐ氏子たちの共演が最大の見どころ。時折、雨脚が強まるあいにくの天気だったが、大勢の住民らが球場のスタンドを埋めた。
午後7時ごろから、市街地を練り歩いた18基のみこしが次々と球場に集結。全基がそろうと、威勢のいい掛け声に合わせて球場内を激しく回る「きおい」を披露した。
関脇御嶽海関(上松町出身)や、飯田のシンボル風越山を題材にした仕掛け花火に続き、クライマックスの連合大三国に点火。高さ10メートルほどの筒花火から大量の火の粉が降り注ぐ中、みこしが勇壮に駆け回った。
祭りを取り仕切る年番長の竹村章さん(69)=丸山1=は「この祭典は地域の文化であり財産。少子高齢化に直面しても、伝統を守る気概で頑張れている」と話していた。