丹山らが赤筆を入れた経典(手前)などが並ぶ特別展=福井県越前町織田文化歴史館

丹山らが赤筆を入れた経典(手前)などが並ぶ特別展=福井県越前町織田文化歴史館

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幕末の高名な学僧、上野丹山の功績に迫る特別展

福井新聞(2018年10月5日)

 明治維新前後の越前町(福井県)を紹介する特別展「幕末明治の越前町」が同町織田文化歴史館で開かれている。同町下糸生の真宗大谷派「浄勝寺」13代目住職で幕末の高名な学僧だった上野丹山(たんざん)(1785~1847年)の功績を示す資料など約50点が並ぶ。12月2日まで。

 幕末明治福井150年博の一環で同館が企画。町内の寺社などに残る資料から文化的価値の高いものを厳選して展示しパネルで解説している。

 丹山は京都の「高倉学寮」(大谷大の前身)で仏教研究に励み、学僧のリーダーとして数々の足跡を残した。その一つで仏教学史に残る偉業とされるのが、当時流布していた経典群「黄檗(おうばく)版一切経」を朝鮮半島で編さんされたものと照合する作業。6500巻を超える調査を11年がかりで進め、字句の違いを指摘することで経典の精度を高めたとされる。

 丹山らが筆を入れた経典群は同寺などが所蔵し県文化財にも指定されており、同展では4冊が公開されている。このほか山岳信仰の拠点としてにぎわいを見せた越知山や、劔神社の当時の様子を示す資料などが展示されている。

 期間中、展示関連の講演会も館内で開催。丹山に関しては7日午後1時から同館の村上雅紀学芸員と佛教大の松永知海教授が講演する。問い合わせは同館=電話0778(36)2288。

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