国宝瑞龍寺の宝物展が2日、高岡市関本町の同寺大茶堂と文化財保存館で始まった。山門の楼上(ろうじょう)が国宝指定後初めて公開され、今夏修復を終えた仏像も見ることができる。4日まで。
瑞龍寺の山門は1997年に仏殿、法堂とともに国宝に指定された。高さ18メートルで、階段を約30段上ったところに楼上があり、宝冠釈迦(しゃか)如来坐像、善財童子立像、月蓋(げつがい)長者立像、十六羅漢像が安置されている。1746年の火災で山門が焼失した後、1818年の山門の再建に合わせて造られたとされ、顔料の剥落や部材の欠損など傷みが激しかったことから、3年かけて順次、京都の専門業者で修復を行ってきた。
楼上は国宝指定の数年前までは、年1回公開していたが、階段でけがをする人がいたことから中止していた。
7月末に仏像の修復と屋根のふき替え工事が終わったことから、多くの人に見てもらう機会にしようと公開することにした。楼上から外に出る扉も開放され、眺望も楽しめるようになっている。
宝物展は同寺を建立した加賀藩3代藩主、前田利常が奉納したとされる寺宝約30点を展示。狩野常信が手掛けたびょうぶや豊臣秀吉自筆の書状など貴重な品々が並ぶ。
宝物展と山門楼上の観覧には宝物展鑑賞券(500円)が必要。午前10時~午後4時。北日本新聞社協賛。