幕末に活躍した小浜の偉人を紹介する企画展「幕末小浜藩―近代日本を創生した人々の思い」が11月23日、福井県小浜市の福井県立若狭図書学習センターで始まった。市指定文化財「酒井家文庫」の史料を中心として、梅田雲浜や杉田玄白、伴信友らゆかりの貴重な品々を展示している。29日まで。
幕末明治福井150年博の一環で市教委が企画し、未公開だった史料も含めて54点をそろえた。
修復が終わり初公開となったのは豊臣秀吉の「唐入り(アジア進出)構想」を伝える「山中橘内書状」。小浜藩士で江戸時代の国学者、伴信友が見いだしたもので、朝鮮出兵の戦況報告をはじめ、明や東アジア南部への交易拡大など、秀吉が口述したアジア進出構想を書き留めてある。
元小浜藩士で幕末の尊皇攘夷の志士、梅田雲浜の直筆の書には「男子たるもの、天下を掃除すべし」とあり、新しい時代への志が伝わってくる。幕府と朝廷を仲介した小浜藩主・酒井忠義の功績を伝える史料や、杉田玄白の「解体新書」の初版本なども展示した。
また、幕末から明治時代の小浜城下を描いた屏風(びょうぶ)、栄華を極めた北前船を描写した絵馬などもあり、港町と城下町の繁栄を示す史料も並ぶ。
観覧無料で午前9時~午後5時。期間中の26日は休館。24日午後1時半からは同センターで、梅田雲浜資料保存会代表の梅田昌彦さん(奈良市)による講座がある。