16日に羽咋市の気多大社で営まれる国重要無形民俗文化財「鵜祭(うまつり)」で奉納されるウミウ「鵜様(うさま)」が11日、七尾市鵜浦町で2年ぶりに捕獲された。昨年は鵜様不在のまま神事が営まれただけに、関係者は12日朝に鵜様を同大社へ届ける「鵜様道中」が予定通り始まることに安堵(あんど)した。
鵜様は、鵜捕(うとり)主任の小西寛之さん(56)=鵜浦町=が11日午後1時半ごろ、同町の通称「鵜捕崖」で、長男達矢さん(31)=氷見市=と連携して捕まえた。体長は約50センチだった。
小西さんによると、8日から11日午前まで、崖周辺でウミウを見掛けなかったが、同日午後には5、6羽飛んでいた。小西さんは鵜様をカヤ製のかごに収め、鵜様の運び役「鵜捕部」の一員で、今年の鵜様の宿となる横川良栄さん(69)方に運んだ。
鵜様道中では、鵜捕部3人がかごを担ぎ、3日間かけて気多大社までの約50キロを歩く。16日未明には、鵜様の動きで翌年の吉凶を占う神事が執り行われる。