日本海側最大のナマコ産地として知られる七尾市石崎町で、ナマコの卵巣を使った高級珍味「干しくちこ」の生産が最盛期を迎えている。
大根音松商店なまこや本店では、大根小夜子常務(74)がナマコの細長い卵巣をたこ糸につるし、手際よく逆三角形に整えていった。2週間前後、寒風にさらして乾燥させると美しいあめ色になり、うまみが凝縮される。作業は3月いっぱい続く。
全国の百貨店などで販売されるほか、今年はシンガポールへ出荷する予定もある。大根さんは「くちこはどんな料理にも使える。磯の香りを楽しんでほしい」と話した。