新潟県十日町市唯一のクラフトビール「妻有ビール」が設立3年目に入り、生産態勢を強化した。醸造経験のある人材を新たに採用し、タンクを増設。全国大会では入賞を果たし、高木千歩社長(45)は「新しい味にチャレンジしたい」と意気込んでいる。
高木社長は同市の地域おこし協力隊として活動後、クラフトビール好きが高じて2017年1月、同市太平に「妻有ビール」を設立した。
資金は、会社員時代の上司の協力や、新潟日報社のクラウドファンディング(CF)の「にいがた、いっぽ」などで調達。技術は甲府市の醸造家の下で習得し、原料の一部は柏崎市の農家と小麦の栽培契約を結んだ。
18年2月の十日町雪まつり会場で初めて販売。地元名産のソバの香ばしさが味わえるビールが人気を集めた。以来、ソバ風味など3種類のビールを製造。市内外のイベントでの販売に加え、飲食店からも注文があり、生産が追い付かないこともあった。
同社では3種類の安定供給を図ろうと今年2月、500リットル用の発酵タンクを3本から5本に増やした。年間生産量を現在の1万2千リットルから、倍近い2万3千リットルへの引き上げを目指す。
生産性向上へ東京都内のクラフトビール醸造所で働いていた中村公洋さん(34)を採用した。「高木社長の社交的で活発な人柄に引かれた」という中村さんは、「誰にでもおいしいと思ってもらえるビールを目指したい」と話す。
日本地ビール協会が2月に初めて開いた「ジャパン・グレートビア・アワーズ」では、全国から出品されたビール243点のうち、上から3番目のランク「銅賞」の基準を満たした。
高木社長は「地域の人に愛してもらい、買ってもらえるビールを造りたい」と話している。
妻有ビールは1リットルで1400円だが、持ち帰り用の瓶800円を購入する必要がある(いずれも税別)。
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妻有ビールの「周年祭」が4月20日午後5時30分から十日町市松代の「農舞台」内の越後まつだい里山食堂で開かれる。ビュッフェ方式で、参加費は5千円、定員は100人。メールかファクスで申し込む。メールアドレスはtsumaribeer@gmail.com、問い合わせはファクス兼用で025(594)7911。