2021年3月に廃校した新潟県十日町市の旧貝野小学校(本屋敷)を活用した冬限定のキャンプ、グランピング(豪華なキャンプ)施設「雪原学舎」が1月9日、オープンした。教室を改装したゲストルーム10室を設けたほか、グラウンドをキャンプサイトにして多彩な雪中アクティビティを楽しめる。運営会社は若者を主なターゲットに据え、3月末までに約2000人の来場を目指す。
雪原学舎は、22年に市が主催した「第1回雪国居住空間コンテスト」の「暮らし体験施設部門」で、総合建設会社の丸山工務所(稲葉)が廃校を雪中キャンプ場にすることを提案し、最優秀賞を受賞した。
丸山工務所は事業化のため昨年4月、100%出資の運営会社「雪原学舎」を設立。旧貝野小を市から借り受け、昨年9月に着工し、12月に完成した。事業費は市、国の補助などを含め約9千万円。
校舎の1階にはフロントやカフェ、ショップを設置した。2、3階の教室は計10室のゲストルームに改修し、最大6人収容の9室と最大8人収容の1室から成る。2階のゲストルームには全てテントを設置し、アウトドアの雰囲気を演出、3階は黒板を生かすなど教室の趣を残した。
グラウンドを活用した約2100平方メートルのキャンプサイトは最大15組が利用できるほか、テントサウナも楽しめる。
ゲストルームは1室4人の1泊素泊まりで計3万8千円から。食事付きプランもある。キャンプサイト利用料はテントが1張り600円、大人(高校生以上)1人1泊で2100円からの設定となっている。
キャンプサイト、宿泊とも先行予約が入り、上々の出だしという。雪原学舎の上村仁取締役(39)は「冬と雪をポジティブにとらえ楽しさを発信し、地域活性化や若者定住につなげたい」と話している。冬季以外の活用方法も今後、検討していく。