高野山(和歌山県)の弘法大師御廟(ごびょう)に食事を運ぶため制作された木箱「唐櫃(からびつ)」の一般公開が12日、高岡市立博物館で始まった。県内の木工や鋳物などの職人でつくる日本伝統職人技術文化研究会が手掛けた。平成の職人たちの技の結集を一目見ようと大勢の市民らが訪れた。14日まで。
制作には会員約20人が参加。理事長を務める職藝学院(富山市)の上野幸夫教授が基本設計し、宮大工や彫刻師、漆職人らさまざまな業種のメンバーが、厳選した素材を用いて2年余りかけ完成させた。
会場には唐櫃のほか、木材の接合部分「仕口」の見本、制作に使用したのこぎり、のみなどの道具も展示。来場者は職人らの説明を聞きながら、細部までじっくりと見入った。南砺市の男性(69)は「組み手や螺鈿(らでん)など素晴らしい技術が随所に使われている。いい物を見せてもらった」と感心した様子だった。
展示は午前9時~午後5時(14日は午後4時まで)。会員が随時解説する。