修復が終わった宝塔絵曼荼羅図について説明する福井住職=蓮乗寺

修復が終わった宝塔絵曼荼羅図について説明する福井住職=蓮乗寺

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寺宝修復、往時の姿に 氷見蓮乗寺5月5日公開

北日本新聞(2019年4月26日)

 氷見市朝日本町の蓮乗寺に伝わる仏画「宝塔絵曼荼羅図(ほうとうえまんだらず)」の修復が終わり、関係者に25日、披露された。室町時代に日本画家、長谷川道浄が描き、養子の等伯が手伝ったとされる寺宝だが、ひび割れが生じ、絵の具がはがれ落ちる危険があった。福井教純(きょうじゅん)住職(57)は「くすんでいた画面が鮮明になり、本来の色がよみがえった。すばらしい仕上がり」と述べた。5月5日に本堂で一般公開する。

 曼荼羅図は長年、作者不明だったが、2010年に画面下の右側に道浄の名前と落款、左側に等伯の矩形(くけい)印が確認された。以来、鑑賞希望者が増え、軸を巻いたり開いたりしているうちにひび割れが進んだ。

 福井住職は昨年、石川県文化財保存修復協会(中越一成代表理事)に修復を依頼した。くん蒸した後、煙やほこりによる汚れを落とした。剥離状態だった絵の具をにかわで定着させ、時代にふさわしいきれを使って表具を直した。作業を終えるまで半年かかった。

 画面の中央に金泥による多宝塔を配してある。描かれた地涌(じゆ)の菩薩(ぼさつ)4体はいずれも礼拝しており、珍しい。等伯が若い頃に手伝った作品とみられ、価値が高いという。

 5月5日は午前9時から正午まで公開する。長谷川派によるとされる「三十番神」の軸も一緒に並べる。問い合わせは蓮乗寺、電話0766(72)0856。

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