石川、富山両県に伝わる嫁入り道具「花嫁のれん」を集めた「第16回花嫁のれん展」(北國新聞社後援)は29日、老舗が軒を連ねる七尾市一本杉通りで開幕した。5月12日までの期間中、市中心部の商店や民家など70軒に約150枚が飾られる。能登で今なお続く文化が令和の時代も継承されることを願い、今回は「つなぐ」をテーマとした。
婚礼の日に婚家の仏間へ入る際にくぐる花嫁のれんは、加賀藩領の加賀、能登、越中などで幕末から明治にかけて始まった風習とされる。10連休中とあって初日から多くの観光客が訪れ、それぞれののれんに秘められた家族の物語に思いをはせた。
商店や民家では一斉に、松竹梅や鶴、おしどりなどをモチーフにした色鮮やかなのれんが飾られた。氷見市の「ひみ鳳(おおとり)の会」が寄せた約20枚も展示された。嫁ぐ娘が好きな桜を描くなど、それぞれに親心が伝わり、店の女将らが語り部となって観光客に紹介した。