作品を見つめる前田さんと梶川さん(左)=石動駅

作品を見つめる前田さんと梶川さん(左)=石動駅

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石動駅に障害者アート 「アール・ブリュット」の絵

北日本新聞(2019年6月24日)

 小矢部市の石動駅2階にある喫茶コーナーに、障害者アート「アール・ブリュット」の絵が展示されている。市内社会福祉法人の利用者が出品し、昨年11月に新駅の利用が始まってから計約100点が並んだ。アール・ブリュットの作品を常設している県内の駅は珍しく、ボランティアで制作をサポートする臨床美術士の前田昌子さん(64)=同市埴生=は「自由に描いた欲のない作品。たくさんの人に見てほしい」と呼び掛けている。

 喫茶コーナーは知的障害者らを対象にした市内の社会福祉法人の「渓明会」と「手をつなぐとなみ野」が運営する。アール・ブリュットはフランス語で「生の芸術」を意味し、美術の専門教育を受けていない人や知的障害者らが自らの衝動のままに表現した作品を指す。制作の成果を見てもらおうと、昨年11月27日の駅利用開始と同時に喫茶コーナーの壁に展示している。

 書家でもある前田さんは、両法人の絵画教室で昔から制作を支援してきた。作品の入れ替えを担当し、季節感を楽しんでもらえるように工夫する。今月中旬には"梅雨バージョン"の展示になり、傘や雨をカラフルに描いた絵をはじめ計14点が並ぶ。あどけない表情のネコや、人物とたくさんの線を絶妙なバランスで配置した一枚もあり、多彩な表現に触れることができる。

 これまで展示した作品は100点に上り、前田さんは「作品を楽しみにしてくれている人もいる」と満足そう。手をつなぐとなみ野の「福祉作業所あけぼの第二」の利用者で喫茶コーナーのスタッフを務める梶川昌美さん(40)は「(作品を展示されて)うれしい。見る人に楽しんでもらいたい」と笑みをこぼした。

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