景観や文化を歩いて楽しむ「フットパス」のルートを整備する地域が、全国で少しずつ広がっている。新潟県十日町市も「大地の芸術祭」や「着物」などをテーマに三つのルートを設定。いずれもJR十日町駅や北越急行まつだい駅などを発着点とし、列車で訪れた人に十日町の魅力を伝える。市は11月末までスタンプラリーを実施し、「フットパス」設定以来初めて、本格的なPRに乗り出した。
フットパスはイギリス発祥で、森林や田園地帯、古い町並みなど、昔からある風景を楽しみながら歩く(フット)ことができる小道(パス)を意味している。
同市は、JR飯山線と北越急行ほくほく線の利用促進を目指す「奥信越ロマンレールプロジェクト」の一環として、2017年度からコース設定を進めてきた。「大地の芸術祭」「きもの」「笹山遺跡」の3コースを設けた。
「大地の芸術祭」コースは、まつだい駅発着で棚田に点在する作品群を巡る約4キロ(所要時間約1時間)。「きもの」コースは十日町駅東口発着で、市街地にある着物関連の石碑や神社、店舗などを巡る約4・1キロ(同約1時間)となっている。
「笹山遺跡」コースは十日町駅西口を出発し、国宝の火焰型土器が展示されている市博物館や、出土した笹山遺跡を経由して魚沼中条駅に到着する約8・3キロ(同約2時間)だ。
市は、日本フットパス協会に加盟する。市によれば協会のホームページを見た県外の愛好家が訪れ、歩いているという。
市では地元住民を含め、さらに多くの人に歩いてもらおうと今回スタンプラリーを企画した。各コースとも、3カ所でスタンプを集めると、大地の芸術祭オリジナルトートバッグ(非売品)をプレゼントする。コースマップやスタンプラリーの台紙は十日町駅西口やまつだい駅などに置いているほか、市のホームページからもダウンロードできる。
市観光交流課は「鉄道を利用して訪れる人だけでなく、地元の人も十日町の魅力を歩いて感じてもらいたい」としている。問い合わせは同課、025(757)3100。