下伊那郡阿南町和合に約300年前から伝わるという「和合の念仏踊り」(国重要無形民俗文化財)が13日夜、始まった。先祖の霊を迎え、豊作を祈って踊る行事。今年も地元の男性たちが体をぶつけ合いながら、山あいの集落に力強い掛け声を響かせた。
蒸し暑さの残る午後8時半ごろ、踊りは熊野社境内での「庭入り」からスタート。素足の保存会員らが輪になり、笛や太鼓に合わせてゆっくり舞った。囃子(はやし)のテンポが速くなると、ささらと竹の棒を持った「ヒッチキ」と呼ばれる踊り手が2人一組で「ヤートーセ」という掛け声とともに、肩と肩をぶつけるように約5分間跳びはねた。
境内を後にした一行は、念仏踊りを伝えたという宮下家や近くの林松寺でも踊りを披露した。念仏踊りは16日夜まで4晩続く。