養蚕の体験施設としての再生計画がある合掌造り家屋=南砺市漆谷

養蚕の体験施設としての再生計画がある合掌造り家屋=南砺市漆谷

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合掌造り家屋、養蚕体験施設に再生へ

北日本新聞(2019年9月13日)

■菅沼住人、南砺市から譲り受け

 南砺市の世界文化遺産・菅沼合掌造り集落の住人が、長く休眠状態だった合掌造り家屋を市から譲り受け、五箇山で古くから受け継がれてきた養蚕が体験できる場として再生することを目指している。12日の市議会産業建設委員会で、中島洋三氏の質問に此尾治和市ブランド戦略部次長が説明した。

 合掌造り家屋は、菅沼集落から庄川を挟んで対岸に位置する。旧上平村が1971年に家族旅行村(同市漆谷・上平)を整備する際、他の集落から移築され、横には鉄筋造りの宿泊施設も設けられた。両施設は「宝引荘(ほうびきそう)」の名で活用されてきたが、約20年にわたって休眠状態が続いていた。

 市によると、合掌造り家屋のかやぶき屋根は22年間ふき替えが行われておらず、損傷が目立つ。倒壊も懸念されたため、菅沼集落に住む荒井崇浩さん(41)が市の補助を受けて修復し、合掌造り家屋と宿泊施設の活用を計画している。市は屋根のふき替え事業補助金として、9月補正予算案に1709万円を計上した。

 荒井さんは地元の「合掌の森再生協議会」事務局を務め、茅(かや)場の再生や五箇山の伝統野菜の普及に取り組んできた。数年前からはカイコも飼育している。

 再生に取り組む宝引荘は、宿泊施設に滞在しながら、養蚕や茅刈りといった昔ながらの暮らしを体験したり、菅沼集落を散策したりできる拠点にしたいという。荒井さんは「手探りの部分が多いが、できる範囲から進めたい。五箇山の文化を伝えられる場所になればいい」と話している。


 ■4年で2倍に 南砺市 外国人宿泊客
 南砺市を昨年訪れた外国人宿泊客数は1万2687人(速報値)で、2014年から4年で2倍近くとなった。12日の市議会産業建設委員会で石川弘氏の質問に市が報告した。

 市内に滞在した外国人観光客は14年は6630人、15年は9931人、16年は1万330人、17年は1万1198人と年々増加。特に五箇山地域の滞在者が大幅に増えており、昨年は中国や欧米、欧州などを中心に6602人が宿泊した。

 来年の東京五輪でさらに増加が見込まれるとして、石川氏はハード面のさらなる整備を求めた他、松本誠一氏もトイレ整備など受け入れ体制の充実を求めた。

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