小倉遊亀の代表作に見入る美術ファンら=県水墨美術館

小倉遊亀の代表作に見入る美術ファンら=県水墨美術館

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近代日本画の全体像一堂 県水墨美術館で「小倉遊亀展」

北日本新聞(2019年9月14日)

 日本画の名品をそろえた企画展「小倉遊亀(おぐらゆき)と院展の画家たち展」が13日、県水墨美術館で開幕した。近代日本画壇を代表する女性画家、小倉遊亀(1895~2000年)の作品と、同時代に活躍した巨匠らの名品を展示。開幕を待ち望んだ美術ファンが来場し、日本美術院の革新的な気風の下で生み出された秀作の数々に見入った。11月4日まで。

 遊亀は院展の名で親しまれる日本美術院で女性として初めて同人となり、晩年は理事長も務めた。明治時代に生まれ、2000(平成12)年に105歳で亡くなるまで絵筆を持ち続けた生涯は、近代日本画の歩みと重なる。

 今回の企画展は遊亀の出身地にある滋賀県立近代美術館から、院展作家の秀作を借り受けて展示。前期展と、大幅に展示替えをする後期展とを合わせて計96点を並べる。

 初期から晩年までの遊亀の作品をそろえ、ほのぼのとした雰囲気の人物画や、品格のある静物画など独自の画風を確立するまでの軌跡を紹介。遊亀と同じ時代を生き、新たな日本画の創造にまい進した横山大観や菱田春草、速水御舟(ぎょしゅう)、安田靫彦(ゆきひこ)、前田青邨(せいそん)ら院展の名だたる大家の作品も飾った。

 この日は開会式もあり、石井隆一知事と駒澤北日本新聞社長らがあいさつした。企画展は県水墨美術館開館20周年記念、北日本新聞創刊135周年記念。

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