島田くずしを披露する男衆=七尾市中島町谷内

島田くずしを披露する男衆=七尾市中島町谷内

石川県 祭り・催し

妙技「島田くずし」に歓声 中島でお熊甲祭

北國新聞(2019年9月21日)

 国重要無形民俗文化財「お熊甲祭(くまかぶとまつり)」は20日、七尾市中島町宮前の久麻加夫(くまかぶ)都(と)阿良加志比古(あらかしひこ)神社などで行われた。山あいから海辺まで、17の末社から神輿(みこし)や高さ20メートル近い深紅の枠旗が猿田彦に導かれて本社へ集結し、鉦や太鼓の音色と担ぎ手の熱気が境内を包んだ。平日開催となったものの4年ぶりに好天に恵まれたこともあって大勢の見物客が詰め掛け、枠旗を地面すれすれに倒す妙技「島田くずし」に歓声が沸いた。
 早朝から、各末社で神輿が飾られ、奉幣(ほうへい)とともに本社へ向けて出発した。海辺の集落・瀬嵐地区では2隻の船に神輿と枠旗を乗せ、午前6時20分ごろに人麿社前の漁港を出発。ゆったりとした鉦と太鼓の音が響く中、七尾湾に波模様を描きながら熊木川河口の船着き場まで運んだ。
 かつては深浦、長浦地区も船で運搬していたが、現在は瀬嵐地区のみが船で運んでいる。桜井政應町会長は「人手は減っているが、漁師町だった名残として続けていきたい」と話した。
 午前8時ごろ、天狗(てんぐ)面の猿田彦に導かれた各末社の祭り行列が境内に次々と集まり、神輿や枠旗を担いだ男衆が「オイッサー、オイッサー」の掛け声とともに拝殿前に走り込んだ。

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