文学碑について説明する陽子さん

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文学者が愛した追分 軽井沢で近藤富枝さんの碑、除幕

信濃毎日新聞(2019年9月23日)

 2016年に93歳で亡くなった作家近藤富枝さん(東京都出身)の文学碑が軽井沢町追分の別荘に完成し、22日に除幕式があった。長女陽子さん(70)と長男龍太郎さん(66)が、道に面した敷地の一角に建立。「ここを訪れる若者らに、追分が文学者に愛された土地だと知ってもらいたい」としている。

 富枝さんは「本郷菊富士ホテル」「田端文士村」などの著書で知られる。1987(昭和62)年に追分に別荘を建て、夫で軍事史研究家の故土門周平さんと過ごした。

 文学碑は佐久市産の石を使い、高さ約1・2メートル、幅約1・5メートル。文学者の軌跡をまとめた著書「信濃追分文学譜」(90年)の最終章から「追分は追分の景色そのものに堀辰雄の 立原道造の文学が融和して不可分となっている―」との一節を引用、刻字した。「空気の中に文学が流れ込んでいる地だと分かる」(陽子さん)一節という。

 除幕式は、文学を通じて交流のあった人や地元住民ら35人が出席。陽子さんは「碑の周りに、母が好きだったユウスゲの種をまきたい」と話していた。

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