石山城跡までの山道にある倒木を取り除く会員たち=5月下旬、福井県おおい町石山

石山城跡までの山道にある倒木を取り除く会員たち=5月下旬、福井県おおい町石山

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おおい石山城PR、住民が力 28日、跡地登り見学会

福井新聞(2019年9月26日)

 福井県おおい町民有志でつくる「佐分利の歴史・文化を学ぶ会」が、戦国時代に同町佐分利地区に築かれた山城「石山城」を後世に伝えようと活動している。9月28日に跡地に登り見学する催しを初企画。会員たちが山中の道を清掃して登山できるようにした。町が2021年までの予定で進めている城跡調査後には、遊歩道や解説看板の設置を目指しており、一層の認知度向上を図りたい考えだ。

 石山城は、おおい町石山の南側にある山頂に位置。若狭守護武田氏の家臣だった武藤上野介友益(むとうこうずけのすけともます)が城主として佐分利一帯を支配していたとされている。織田信長の一代記「信長公記」には、信長の命で明智光秀、丹羽長秀が石山城を攻めたとの記述があることでも知られる。

 同会は、同地区の歴史、文化の魅力を次代に伝えようと17年に発足。現在会員約20人が石山城跡の保存や活用について、識者らを招いて歴史勉強会を開いたり、活動内容を紹介する小冊子を発刊したりしている。

 見学会に向け、会員たちは5月下旬に2回、6月中旬に1回、倒木を取り除くなどし、山頂までの道約300メートルのうち約120メートルを清掃した。

 標高190メートルの山頂辺りからは佐分利を一望できる。山城の一部は舞鶴若狭自動車道建設時に削られたものの、郭(くるわ)などは現在でも確認できるという。見学会では同町学芸員の説明もある。

 石山城跡は現在、町が調査中。同会の関係者は「詳細が明らかになった後、最終的には遊歩道を付けたり、解説看板を付けたりしたい。トレッキングコースとしての活用も面白い」と構想を練っている。町や県の文化財指定への期待も抱いている。

 見学会は午前9時までに同町佐分利公民館に集合。開会式後、各自で山麓に移動し登山する。登山口から頂上まで約20分。雨天中止。参加費は100円で、事前申し込みが必要。正午ごろ現地解散予定。問い合わせは佐分利公民館=電話0770(78)1211。

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