内海吉堂の作品がずらりと並ぶ会場=福井県敦賀市立博物館

内海吉堂の作品がずらりと並ぶ会場=福井県敦賀市立博物館

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敦賀出身の南画家・内海吉堂とは 敦賀市立博物館で企画展

福井新聞(2019年10月31日)

 明治から大正にかけて京都で活躍した福井県敦賀市出身の南画家、内海吉堂(うつみきちどう)(1849~1923年)を紹介する同市立博物館の企画展「明治の郷土画家 内海吉堂」が11月28日まで、同館で開かれている。南画特有の柔らかなタッチで鮮やかに描かれた作品や、吉堂の人物像が伝わる史料が並ぶ。担当の学芸員は「吉堂がどういう人物か地元でもあまり知られていない。展示を通して画業に触れてもらえれば」と呼び掛けている。

 敦賀で生まれた吉堂は、幼い頃に移った滋賀で漢学を学び、その後京都に上り、絵を円山四条派の塩川文麟に師事した。中国へ2度遊学して南画を学び、その後、日本南画協会評議員を務めるなどした。敦賀で絵師として活躍した父元紀と祖父元孝と合わせ「内海三代」と称されている。

 今回は吉堂作品や関連史料などの計63点を、11月10日までの前期と同12日からの後期に分けて展示する。

 1913年に描いた掛け軸「蘭亭曲水図(らんていきょくすいず)」(同館蔵)は中国の文人が曲水の宴を楽しむ様子を描いた。緻密に描かれた山々を背景に、文人たちの和やかな姿を色鮮やかに表現している。

 晩年の集大成とされる「春帆細雨図(しゅんぽさいうず)・秋霽登高図屏風(しゅうせいとうこうずびょうぶ)」(同)は、漁村の暮らしなどを金屏風に描いた大作。吉堂が理想とする山水の世界を表現している。

 さらに、吉堂と敦賀との関わりを示す史料も残っており、企画展では、敦賀の風景や寺社を写生した画帖のほか、江戸から明治にかけて活躍した豪商大和田荘兵衛や敦賀の文化人との交流を示す資料を展示している。

 元紀や元孝、弟子の作品なども展示され、吉堂の人物像や功績が伝わる構成となっている。同館の学芸員は「華やかで美しい吉堂作品の魅力を知ってほしい」と話している。

 11月4日午後1時半から展示解説が行われる。問い合わせは同館=電話0770(25)7033。

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