昨年の酒とり祭で、勢いよく拝殿を駆け上がる男性たち=2019年4月11日

昨年の酒とり祭で、勢いよく拝殿を駆け上がる男性たち=2019年4月11日

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奇祭「酒とり祭」来年から4月第4日曜に 小矢部・下後亟

北日本新聞(2020年1月13日)

■秋の源氏太鼓9月第2日曜に

 小矢部市下後亟(しもごぜ)地区に伝わる市無形民俗文化財「酒とり祭」は、4月11日に決まっている開催日を、2021年から4月の第4日曜日に変更することになった。ふんどし姿の男たちが境内を駆ける全国でも珍しい奇祭で、休日開催に固定することで担い手を確保するとともに、多くの見物客に訪れてもらうのが狙い。12日に開かれた地元の総会で同意した。

 酒とり祭は下後亟神明社の春祭りに行われ、300年以上続くとも言われる。獅子舞に続き、ふんどしに鉢巻きを締めた地元の男性が境内を走り、お神酒を見物客に飲ませる。

 毎年4月11日に開いているが、平日と重なる年も多いため、担い手の確保が難しくなっていた。人口が減っている中で祭りを継承していくためにも、下後亟地区では住民アンケートも実施しながら、約1年前から休日開催に向けて検討を重ねてきた。

 12日に下後亟公民館で開かれた地区の総会には役員ら約40人が出席。休日開催によって祭りが見物しやすくなり、にぎわいづくりも期待できるとして、日程の変更に合意した。小矢部市無形民俗文化財「源氏太鼓」が披露される同神明社の秋祭りも、2021年から9月の第2日曜に開くことも決めた。現在は9月10日に固定されている。

 20年はこれまで通りに開き、21年からの日程変更の周知に取り組む。区長の蟹谷松雄さん(69)は「地域の絆を深めるとともに、地区に人を呼び込むようにしたい」と話した。

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