市が改修を始める燕岳テント場のトイレ(安曇野市提供)

市が改修を始める燕岳テント場のトイレ(安曇野市提供)

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燕岳テント場のトイレ改修へ 外国人登山客ら要望受け

信濃毎日新聞(2020年3月2日)

 安曇野市は外国人やリピーターの登山客を増やそうと、2020年度に北アルプス・燕岳(2763メートル)のテント場にある市営公衆トイレの改修事業に乗り出す。現在は和式、くみ取り式で臭いが強く、外国人や若い世代から洋式化や臭気対策を望む声が高まっていた。

 燕岳は、大天井岳(2922メートル)を経て槍ケ岳(3180メートル)までつながる「北ア表銀座」の玄関口として、登山初心者からベテランまで人気が高い。テント場は燕岳山頂近くにある山小屋「燕山荘」付近にあり、市によると年間約5千人が、ピーク時には1カ月で約1600人が利用する。テント場用のトイレは臭気に加え、くみ取ったし尿を谷筋に直接放流する方式のため、環境負荷の面でも問題が指摘されていた。

 市は20年度一般会計当初予算案に、改修のための設計費184万円を計上。21年度に建設工事をし、22年度の使用開始を目指す。

 導入を検討しているのは、大便と小便の便槽を分ける固液分離方式。小便は、ろ過装置を通して環境負荷を低減させてから地下に浸透。大便は専用タンクに詰めてヘリコプターで運び出す。女子トイレは小便用と大便用の便器が別になる見通しだ。

 市観光交流促進課の大竹範彦課長は「近年は外国人の登山客が増えており、トイレの洋式化を望む声が多く寄せられていた。臭気対策と環境負荷の低減の両方に取り組み、海外からの登山客や繰り返し訪れる人たちの確保につなげたい」としている。

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