「WaiNari」が塩尻市産ワインの味わいを可視化した模様

「WaiNari」が塩尻市産ワインの味わいを可視化した模様

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ワインのおいしさ見える化 塩尻市や東芝...開発

信濃毎日新聞(2020年4月2日)

 塩尻市や東芝(東京都)などは、ワインの味わいを可視化するシステム「WaiNari(ワイナリ)」を開発した。飲んだワインの香りや味の特徴をマイクを備えたコースターに話し掛けると、ソフトウェアが言葉に対応した色や形を組み合わせた模様を作り、パソコンなどの端末の画面に表示する。ワインの印象を視覚でも楽しむことができ、関係者はワイン選びの新しい「指標」になると期待している。

 装置は、傾きを検知するセンサーを内蔵したワイングラスと、ボトルを置くコースターが連動しており、グラスで飲むとコースターが起動する。ワインを飲んで感じた香りや味を「果実味」「滑らか」「ベリー」などと話すと、それぞれの言葉に対応した色や形で模様をソフトが作る。「ベリー」だと赤色系、「森の香り」だと青色系といった具合だ。現時点で数百種類の言葉に反応し、模様を生み出すことができる。

 東芝のデザイナーらは昨年秋以降、新しいアイデア作りなどを目的に塩尻市で現地調査を実施。市特産のワインに注目し、ワインを飲んだことがない人でも味覚を想像できる仕組みを提供できると面白いといった意見が上がり、具体的な検討を進めてきた。

 主に開発を進めた東芝デザインセンターの駒木亮伯(あきのり)さん(37)は「色や形といった視覚情報からワインの味わいを想像できる」と説明。おいしいと感じたワインと似た模様の別の銘柄を探せば、好みのワインを見つけられる可能性がある。市産ワインを可視化したところ、赤や黄色などを基調に円形や一部がとがった模様が生まれた。

 グラスとコースターには、同市木曽平沢の丸嘉(まるよし)小坂漆器店が漆を塗るなど、市内外の事業者が装置の開発に協力。市はこれまでも都内の企業などとの連携に力を入れており、市地方創生推進課は「企業と連携して市の地域ブランドを発信する一つの事例になり得る」とする。

 今後、市民向けの体験会を開き、市内のワイナリーに装置の利用を呼び掛ける計画。将来的に装置の販売も視野に入れる。駒木さんは「装置が作る模様が、いろいろな種類のワインを飲むきっかけになるかもしれない」と期待。「ワイン生産者と消費者とのつながりを増やしたい」としている。

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