白山市の手取川河口で27日までに、シロウオを捕る伝統の「スベリ漁」が本格化した。陽光の下、透き通った魚が四つ手網の中で元気よく跳ねた。
シロウオは体長約5センチのハゼ科の小魚で、美川地区ではスベリ、能登ではイサザと呼ばれる。27日は手取川イサザ会の3人が遡上(そじょう)する群れをすくい上げた。
同会によると、近年は手取川の濁水などの影響で漁獲が少なかったが、今年は好調となっている。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で、スベリが振る舞われる「おかえり祭り」の巡行が中止、地元の飲食店も休業が相次ぐなど需要は減っており、担当者は「少しさみしいけど、仕方がない」と肩を落とした。