セメントでドーナツを作るプレイベント参加者

セメントでドーナツを作るプレイベント参加者

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身近な場所で非日常 リビング・アート・イン・トヤマ

北日本新聞(2020年8月14日)

■3密避け 暮らしに彩り

 暮らしの中で芸術に親しむリビング・アート・イン・トヤマ2020(実行委員会主催、北日本新聞社共催)が17~23日、富山市内で開かれる。18回目の今年は期間を延ばして会場を分散、参加を少人数予約制として新型コロナウイルス感染防止対策を徹底する。コロナ禍の中での新しいイベントの形や企画者たちの思いを紹介する。

 セメントでドーナツを作るワークショップが10日、県民会館1階の「D&DEPARTMENT TOYAMA」で開かれた。リビングアートのプレイベントだ。

 「顔料は混ぜすぎないで。むらが出るくらいの方が面白い色になるよ」。鳥居セメント工業(富山市町村)の鳥居照子社長(61)らが作り方をアドバイス。参加者はセメントをこねて、カラフルな直径約5センチのドーナツを6個仕上げた。リビングアート限定スイーツのプリンアラモードも味わい、会場に笑顔があふれた。分散開催の試金石は上々の結果となった。

 ドーナツはペン立てや箸置きなどにも活用できる。総合プロデューサーの貫場幸英さん(57)は「セメントでかわいいものが作れると分かってもらえたと思う」と目を細める。当たり前にある身近な素材で、暮らしを彩り生活者の心を豊かにする。リビングアートの目的の一つだ。

 今年は3密を避けるため、これまでの一極集中から分散開催とした。会場は福沢地区コミュニティセンターのほか、市内にある工房やカフェ、ショップ。予約制のワークショップは5カ所で行い、問い合わせ・申し込みはリビングアートのホームページで受け付けている。特別メニューは2店と同センターで提供する。

 分散開催は、リビングアートの理念であるアイデアと創意工夫から生まれた。会場を市内各地に点在させることで、参加者は最寄りの会場に出掛け、モノづくりや食の「非日常」を体験できる。

 「中止では思考が止まってしまう。こうしたピンチにこそ、皆さんを笑顔にするイベントができないか考えた」と貫場さん。21日には「コロナ時代を生きる知恵」をテーマにシンポジウムをオンライン配信する予定だ。

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