涸沢ヒュッテのオリジナル商品。今年は一部をインターネットで販売している=12日、涸沢ヒュッテ

涸沢ヒュッテのオリジナル商品。今年は一部をインターネットで販売している=12日、涸沢ヒュッテ

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山小屋グッズ、今季はネットで 北アなどの20軒出品

信濃毎日新聞(2020年9月16日)

 新型コロナウイルスの感染拡大が登山にも影響を与えている今季、北アルプスなどの山小屋がオリジナル商品のインターネット販売に乗り出している。感染予防のために宿泊定員を抑えたり、休業したりしている山小屋が、今年の登山を諦めた人も購入できるようにオンラインショップに出品。秋山シーズンが本格化しつつあるが、全国の登山ファンが「山小屋を応援したい」と買い求めている。

 北アルプス・涸沢(標高約2300メートル)の山小屋「涸沢ヒュッテ」は今夏、山小屋名物のおでんをデザインしたTシャツ(税込み3300円)などのグッズをネットショップ「ヤマトリップショップ」に出品した。ロゴ入りボトル(2千円)、手拭い(800円)など、これまで小屋を訪れた登山客だけが入手できた商品をネットで購入できる。

 同ヒュッテは近年、プロのイラストレーターにデザインを依頼するなどしてオリジナル商品を拡充してきた。だが、今年は新型コロナの影響で営業の開始時期が遅れた上、宿泊人数を削減。涸沢に来られない人も少なくないため、ネット販売に踏み切った。

 サイトを開設したのは、登山用品のレンタルなどを手掛けるフィールド&マウンテン(さいたま市)。同社によると、新型コロナで経営面で打撃を受けている山小屋を「登山ファンみんなで応援しよう」との声が顧客から上がり、今年6月にサイトを設けた。

 このサイトには同ヒュッテの他、北アの穂高岳山荘、中央アルプスの萬岳荘、八ケ岳の各小屋など約20軒が出品。Tシャツや雑貨など商品の種類は計約200点に及び、これまでの販売件数は900件を超えた。同社担当者は「山小屋ではグッズが売り切れていたり、下山後に欲しくなったりした人からの購入ニーズもある」という。

 ただ涸沢ヒュッテは、ネット販売を来年以降も継続するかは検討中だ。商品企画に携わる同ヒュッテの山口浩一さん(42)は、山小屋の土産は登山の思い出と一体のものだけに「本来は山を訪れた記念に買うことが大事」とし、今後の方針は新型コロナの状況を踏まえて決めるとしている。

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