洞窟へ続く遊歩道に設けた階段を確認する角さん=小松市那谷町

洞窟へ続く遊歩道に設けた階段を確認する角さん=小松市那谷町

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「役行山(えんぎょさん)洞窟」に遊歩道 小松・那谷住民が再整備、訪問期待

北國新聞(2020年9月25日)

 白山信仰の修験者が修行に励んだ足跡をたどってほしいと、小松市那谷町の山あいにある「役行山(えんぎょさん)洞窟」に24日までに、地元住民が遊歩道を再整備した。洞窟に続く斜面に階段状の木材を並べ、手すりの代わりとしてロープを取り付けた。遊歩道は7年前に草木を伐採して整備したが、手入れが行き届かず獣道のようになっていたためで、住民は訪ねる人が増えることに期待を込めている。
 洞窟は横幅が約10メートル、高さが約2・5メートル、奥行きが約4メートル。那谷寺から約7キロ南東にある林道安谷(やすたに)線の神名火(かんなび)トンネル近くに位置する。
 25年ほど前に林道がトンネル一帯まで整備されたことがきっかけとなり、地権者の角武雄さん(77)=同市扇町=らが遊歩道を作ろうと、2012~13年に洞窟に向かう斜面の草木を伐採。地面を鍬(くわ)でならし、案内板をトンネルそばの駐車場に取り付けた。
 整備から7年がたった今春、退職で時間に余裕ができた角さんは洞窟まで歩きやすくしようと、手作業で再整備を始めた。約2カ月をかけ、長さ約300メートルの斜面に木材で約150段の階段を設け、ロープを張り巡らせるなどした。
 那谷町には霊峰白山を開いた泰澄大師が717(養老元)年に開いた真言宗那谷寺があり、白山の禅定道の一拠点となっていた。修験者は洞窟がある山一帯で修行したとされ、現在では山頂に那谷寺の宿泊施設が設けられてもいる。
 角さんは約1300年前には洞窟で行者が雨風をしのいだのではないかとみており、遊歩道をたどる登山愛好者を目にすることもあるという。角さんは「山歩きの初心者にも洞窟を訪ねてもらい、白山信仰の歴史に思いをはせてほしい」と話した。

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